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昔々のお話です。
まだ、神様が地上に居わすころの御話です。
人が、大地も天(そら)も省みず傷つけあい殺し合っていた頃のお話です。
あまりにも人が空を翳らせ、大地を汚し、海を汚し、森を殺した為に地神様がお怒りになり地神様と対の天神様が地上に嵐と雷を呼び人々にきつい罰を与えました。
人々は、神々の怒りの強さに驚きそして恐怖しました。
それ以後、人々は天と地の神を祭り二度と空を翳らせ、大地を汚し、海を汚し、森を殺すまねはしないと深く誓いました。
けれど、人々は過ぎる時の中で過去の過ちを繰り返そうとしました。
とある大国に、同じくらい大きな国が戦いをしかけました。
戦火で空は翳りました。
戦火で、木々は燃えました。
戦場で沢山の血が大地に流れました。
戦場で沢山の人々が沈んでいきました。
大国の王様に、司祭様が言いました。
天地神様がお怒りになります。
おやめくださいと…。
天神を祭る大国の王様は止める司祭様に過去の出来事を昔話だといって戦いに繰り出し数々の国を落とし大陸統一まであと少しというところに、
天神の御使いが現れました。
人々は昔話と言われた、嵐と雷の伝承を思い出していました。
御使いは、王様の罪を人々に伝えました。
王様の罪は、大地を血で汚したこと。沢山の人々を殺したこと。
御使いは、神様に代わって王様を裁きに来たと伝えました。
一人、二人と御使いの言葉に声を上げました。
人々は王様は悪くないと言いました。
王様のおかげで大陸は一つに纏まっているのだと言いました。王様のおかげで、救われたのだと。
沢山の人を殺した王様は、
沢山の人を守るために、
沢山の命を犠牲に、
沢山の命を救っていたのです。
けれど、天使は人々の声に耳を傾けませんでした。
王様に助けられた人々は、王様の味方だったからです。
王様に殺された人々の家族は、王様の敵だったからです。
循環して、怨嗟を断ち切ることの出来なくなる前に…。
御使いは、王様を殺そうとしました。
王様が居ると世界が翳るといいました。
御使いの剣が王様を切り裂こうとしました。
そんな時、一人の紅い騎士が王様を護りました。
王様の盾になり、御使いから王様を護りました。
白銀の剣を掲げ、
自らの主を害する敵を打つために、剣を振りました。
神の御使いに剣を向けた背徳者。
けれど、人々は騎士を応援しました。
人々の支えは、苦しみを空より見つめる神様よりも、人々の苦しみを分かち合う「王様」でした。
御使いと、騎士は長い時間戦いました。
大地に伏したのは御使いでした。
御使いは、自らを討った騎士に“王様の正しさ”を証明しなさいと。
そう言い残して、消えていきました。
その後、王様は大陸を統一し天神を祭る者として沢山の人々を殺してしまった罪を償うた
めに祈りを捧げる大司教様になりました。
*****
昔々のお話です。
まだ、神様が地上に居わすころの御話です。
人が、大地も天(そら)も省みず傷つけあい殺し合っていた頃のお話です。
あまりにも人が空を翳らせ、大地を汚し、海を汚し、森を殺した為に地神様がお怒りになり地神様と対の天神様が地上に嵐と雷を呼び人々にきつい罰を与えました。
人々は、神々の怒りの強さに驚きそして恐怖しました。
それ以後、人々は天と地の神を祭り二度と空を翳らせ、大地を汚し、海を汚し、森を殺すまねはしないと深く誓いました。
けれど、人々は過ぎる時の中で過去の過ちを繰り返そうとしました。
とある大国に、同じくらい大きな国が戦いをしかけました。
戦火で空は翳りました。
戦火で、木々は燃えました。
戦場で沢山の血が大地に流れました。
戦場で沢山の人々が沈んでいきました。
大国の王様に、司祭様が言いました。
天地神様がお怒りになります。
おやめくださいと…。
天神を祭る大国の王様は止める司祭様に過去の出来事を昔話だといって戦いに繰り出し数々の国を落とし大陸統一まであと少しというところに、
天神の御使いが現れました。
人々は昔話と言われた、嵐と雷の伝承を思い出していました。
御使いは、王様の罪を人々に伝えました。
王様の罪は、大地を血で汚したこと。沢山の人々を殺したこと。
御使いは、神様に代わって王様を裁きに来たと伝えました。
一人、二人と御使いの言葉に声を上げました。
人々は王様は悪くないと言いました。
王様のおかげで大陸は一つに纏まっているのだと言いました。王様のおかげで、救われたのだと。
沢山の人を殺した王様は、
沢山の人を守るために、
沢山の命を犠牲に、
沢山の命を救っていたのです。
けれど、天使は人々の声に耳を傾けませんでした。
王様に助けられた人々は、王様の味方だったからです。
王様に殺された人々の家族は、王様の敵だったからです。
循環して、怨嗟を断ち切ることの出来なくなる前に…。
御使いは、王様を殺そうとしました。
王様が居ると世界が翳るといいました。
御使いの剣が王様を切り裂こうとしました。
そんな時、一人の紅い騎士が王様を護りました。
王様の盾になり、御使いから王様を護りました。
白銀の剣を掲げ、
自らの主を害する敵を打つために、剣を振りました。
神の御使いに剣を向けた背徳者。
けれど、人々は騎士を応援しました。
人々の支えは、苦しみを空より見つめる神様よりも、人々の苦しみを分かち合う「王様」でした。
御使いと、騎士は長い時間戦いました。
大地に伏したのは御使いでした。
御使いは、自らを討った騎士に“王様の正しさ”を証明しなさいと。
そう言い残して、消えていきました。
その後、王様は大陸を統一し天神を祭る者として沢山の人々を殺してしまった罪を償うた
めに祈りを捧げる大司教様になりました。
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